Yang-Millsラグランジアンの構成方法
Yang-Millsラグランジアンの構成方法について説明します。
参考文献:(Peskin & Schroeder, 1995)
QEDラグランジアンの構成方法ではラグランジアンが局所ゲージ変換,特に U(1) 変換
ψ(x)↦eiα(x)ψ(x)
の下で不変であることを要請した。
このような要請から(ほぼ)一意にQEDラグランジアンが構成されたので,より一般的な群に属する変換の下で不変なラグランジアンも同様に構成できると期待される。
具体的には,場 ψ(x) を n 重項とみなし,Lie群の n 次元ユニタリー表現による変換
ψ(x)↦V(x)ψ(x)
の下でラグランジアンが不変であることを要請する。
一般にLie群の単位元を含む連結成分の元は生成子 ta を用いて
V(x)=eiαa(x)ta=1+iαa(x)ta+O(α2)
を表すことができる。このとき生成子はLie代数を成し,その構造は交換関係
[ta,tb]=ifabctc
によって特徴づけられる。この fabc を構造定数という。
あとはQEDラグランジアンと同様の議論が適用できる。共変微分は
Dμ=∂μ−igAμata
であり,独立な生成子ごとにゲージ場 Aμa が導入され,局所ゲージ変換の下で
Aμa↦Aμa+g1∂μαa+fabcAμbαc
と変換する。最後の項は群の非可換性に由来するものであり,QEDのような可換群の場合には存在しない。
field strengthは
Fμνa=∂μAνa−∂νAμa+gfabcAμbAνc
となる。これも非可換性に由来する項が存在し,そのせいで Fμνa はゲージ不変ではなくなるが,運動項 (Fμνa)2 はゲージ不変である。
以上の量からくりこみ可能でパリティと時間反転について不変なラグランジアンを構成すると
LYM=ψˉ(iDμ−m)ψ−41(Fμνa)2
となる。このような理論をYang-Mills理論という。QEDの場合,相互作用はゲージ場とDirac場の間にしか存在しないが,非可換群に基づくYang-Mills理論では fabc に比例するゲージ場の自己相互作用項も存在する。
参考文献
Peskin, M. E., & Schroeder, D. V. (1995). An Introduction to quantum field theory. Addison-Wesley.